わたしと子どもの備忘録

育児、聴覚障害関連エピソードを載せています。

聴覚障害者と話すには

手話サークルに参加していても思うのが、ろう者と話すのに壁がある方がいます。子供でもありますね。聞こえない子が突然入ってきた時、どう話せばいいかわからず、まだ幼いこともありどちらからも歩み寄れず、結局何もせず終わるなんてことはよくあります。お互いに話したい気持ちがあったなら、寂しい終わり方です。

 

子供には「私は聞こえません」だけではなく、「マスクを外して口元をみせてほしい」「肩をたたいて、目線があったら話してほしい」など伝えられるようにと言っていますがまだ難しいです。照れもあるし、初対面の人に突然自分へのマニュアルを伝えなければいけないわけですから、抵抗もあるのは当然です。これができるようになるのは、高校生とかかなぁと漠然と思っています。

 

自分の子供の頃を振り返っても、週一のエレクトーンの習い事では地蔵になっていましたし、初対面の人と話すという発想も欲望もありませんでした。仲の良い学校の友達と話せていればそれで十分でした。まして自分が聞こえないことを自覚しており、その差を嘆くことも多くなってきたお年頃なので、ますます「私は聞こえません」と言う勇気は持てないと理解できます。でも娘は、新しいお友達を作ることに興味があるし、少しでも交流があると嬉しそうにするので、どうにかうまくいかないもんかと考える日々です。

 

一方で、兄弟である弟はもうそこが備わっているわけです。弟が生まれてきた時から、聞こえるにも関わらず手話も入れていました。そうして手話も覚えてもらわないと、お姉ちゃんと会話ができないからです。弟は、保育園では言葉が出ず心配されました。初めて保育士さんに話した単語「つみき」も手話での表出だったようで、声が出ないと気にかけてもらっていました。それは杞憂でしたが。

 

弟は喧嘩のときも、呼ぶときも、怒ったときも泣いたときも、姉にぶつかっていくときには肩をたたいて、じっと目を見て怒ります。聞こえる兄弟だったら、顔もみたくないと声だけでの言い合いになるでしょうが、弟はそこが分かっているので、泣いて訴えるときも肩を叩き、こっちみろ!と怒ります。最近でこそ、ボソッと嫌味を言うときもありますが、伝えるには肩をたたき目を合わせ、相手にわかるように伝えないといけないと理解しているわけです。

 

ろう者と話すときは、肩をたたいてこちらに注目してもらう、気づいてもらうがまず一歩です。全く失礼ではありません。そりゃ限度もあるし、程度もありますが、肩を軽くポンポンとたたいてこちらを向いてもらい、会話スタートです。それがないと会話が始まりませんし、相手はいつまで経っても気付けません。離れた距離にいる場合は手をひらひら振って視界に入れて気づいてもらうなどあります。

 

昨日、娘を呼ぶのに、どんどんと床をならして呼んだところ「犬じゃないんだからその呼び方止めて!」と怒られました。振動でも気づいてくれるので、部屋の離れたところにいるときはそうやって呼んでいましたが、怒られてしまいました。

 

聴覚障害者と話すときは、「手話ができないから」と諦めず、どんどん話しかけてほしいです。手話以外にも、口元を見る、身振り、色々あります。話そう伝えようとする姿勢は何より大事です。そうすると相手にも伝わって、壁が取っ払われますよ。

 

https://amzn.to/3N3bwIC

 

https://amzn.to/3P5dxXl