地域の手話サークルに参加してきました。自分の親世代の方が多く、みな手話の学びに積極的です。手話に興味を持ったきっかけを聞くと、家族に聞こえない人がいるという方はいませんでした。ボランティアとして、手話奉仕員を目指して、市報で見て、など色々です。子育てが一段落して、何かしようと思ったときには歳をとって今になったと話していました。
子育てと並行して、自分から今このサークルに飛び込んだのは良かったと思いました。手話や聴覚障害者に理解がある人と出会えるのは、とてもうれしいことです。ろう学校に通っているからといって、親が手話ができるかというと、ほとんどできない人が多いです。人工内耳の普及で、声で会話する子供が増えているし、補聴器で聞き取れる子供も多いし、手話はそれほど必要ではないのでしょう。それぞれの環境や価値観なので、そういうものだと捉えています。
一方で、私の場合は手話は必須、0歳の時からゴリゴリと手話を学び入れてきましたが、周りに同じように学ぶ人は少なく、子供が少し大きくなった今、手話に興味のある人と出会えてとてもうれしかったです。
手話サークルというと、きっかけは何であれ「手話を学びたい」というのが共通の目的です。しかし、ボランティアとしての側面が大きいことを聞きました(*私の地域の場合)。なにか行政に訴えるとか、困ったときに助けるとか、手話普及の啓蒙活動がメインで、手話の学びはくっついてくるようなイメージです。手話を学びたい意識のみで入ると、いつの間にかボランティアに巻き込まれてあれれ?という方もいるようです。
そのへん初めに話をしてもらったのでよかったです。考えた結果入ることに決めました。子供とは日々手話や口話で会話をしていますが、年配のろう者の話を聞く機会はありません。優生保護法は知っていましたが、民法969条の話など、自分が知らないこともありました。
【民法969条】
公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。 一 証人2人以上の立会いがあること。 二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。 三 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
この規定に違反して作られた文書は認められないということが、平成12年まで行われていたそうです。最近です。驚きました。ろう者にとって、「口授(こうじゅ・口で述べ教えること)」、「読み聞かせ」は困難です。自分が生まれていた時代に、この法律がまかり通っていたことに驚きです。
平成12年になって民法が改正され、ろう者の場合は手話通訳者の同席や筆談を使うことも認められるようになったということでした。
聴覚障害に関しては、情報にアンテナをはっていたいと思っていますが、やはり人に会いにいくと自分では知り得ないことを教えてもらったりできます。ありがたいです。手話を学ぶこと、ろう者とコミュニケーションがとれることはもちろん、こういった話が聞けるのも、手話サークルの魅力です。