わたしと子どもの備忘録

育児、聴覚障害関連エピソードを載せています。

こえとらを使いこなすわが子

子どもにスマホを持たせるにあたり、こえとらアプリも入れておきました。使う使わないは本人次第ですが、親が一緒にいなくてひとり困ったとき、だれかに助けを求めるためです。

 

こえとらは、主に聴覚障害者が使うアプリで、無料でだれでもインストールできます。

www.koetra.jp

どんなアプリかと言うと、その場にいる人同士、声を文字に変えてスマホに表示したり、文字を音声に変えてチャットのようにスマホ上でやり取りできるものです。聴者ならば声で会話をすればいいですが、聴者と聴覚障害者というとそうはいきません。聴者が話したことを聴覚障害者は理解するのは難しいし、聴覚障害者が話すことを聴者が理解するのは難しいからです。

 

先日、わが子がひとり電車に乗っている時、「この電車は○○方面だろうか」と不安になったことがありました。いつも乗っている車両の色と違っていたからです。そこで子どもは、隣に座るおばあさんに、こえとらを使って「この電車は○○へ行きますか」と文字で聞いたそうです。するとおばあさんは「そうです」と答えてくれ、安心して電車に乗れたと話していました。

 

これは私にとって涙が出るほど嬉しい出来事でした。子どもには何より頼る力を身につけてほしいと思っています。聞こえないこともありますが、大人でさえ子どもでさえ、聞こえていても、困ったときに誰かに頼るというのは大事な力です。困っている様子でモジモジしていては、このご時世誰も気づいてくれません。みんな自分のことに必死ですから。子どもが自ら見知らぬ人を頼り、聞こえる人に勇気を持って尋ねたことは、本当に大きな一歩なのです。子どもは「そんなにびっくりすること?」みたいに言っていましたが、本当にすごいすごい偉いです。

 

困ってクラスメイトに聞くとはわけが違います。見知らぬ人に電車でこえとらを使ってコミュニケーションをとり、自分の不安を払拭できたわけですから、もうすごすぎるわけです。本当にがんばったわが子!!!!!

 

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