わたしと子どもの備忘録

育児、聴覚障害関連エピソードを載せています。

サウンドハグ体験してきました

サウンドハグを体験してきました。GWに行われたラ・フォル・ジュルネで、サウンドハグを通した視聴ができました。

音の高低に合わせて光の色が変化し、音の振動に合わせて振動が伝わってきます。コンサート開始前、席につくとサウンドハグが置かれていました。すでに会場内のアナウンスや音に反応しグググと揺れて小さく赤く光っていました。

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サウンドハグ席には、人工内耳の人、補聴器の人、聞こえる人が座っていました。バスケットボールほどの大きさのボールを抱えます。子供には少し大きかったようでした。曲は1時間超ほどあり、夜9時開演の演目に途中眠くなったのか、サウンドハグをボトっと落とす人もちらほらいました。

 

夜が遅い開演で、心地よい音楽ということもあり、聞こえる我が子は5分で爆睡していました。サウンドハグ席の聞こえない我が子も、途中うつらうつら寝ていました。何事も体験、はじめてのクラシックを1時間目を見開いて聞いているのも難しいものです。気持ちよく寝てくれたならそれでいいと思いました。

 

子供にサウンドハグの感想を聞くと、「ずっと振動があるので邪魔になって小脇に抱えて肘置きにした」と言っていました。忌憚のないご意見です。大きなボールをずっと抱えるのは大変なので、ベルト?のように落ちないようになるといいな、と思いました。

 

サウンドハグ初体験がベートーヴェン第九だったので、それはそれはハードルは高かったとは察します。例えば、UTAの新時代を映像付きでサウンドハグで聞けたなら、子どもの感動も最高潮だったろうとは思いました。遠くで見るとあまり動きのないクラシックコンサートですから、ちょっと退屈だったようです。

 

以前ろうの知人に、手話通訳者は自分にだけ話してくるから眠くても寝られないというのを聞きました。その時は思わぬ本音に笑ってしまいましたが、なにか大勢での講演会等の場合は、その話全てに興味があるかと言うとそうではなく、退屈なことも多いでしょう。そんなとき、誰しもウトウトしてしまった経験があるとは思いますが、それはろうの知人にはハードルが高いということでした。自分のために通訳をしてくれ、目の前で座っているのでウトウトできないし、下を向いたりもしにくいです。なるほど確かに、そんなこともあるんだと感じました。

 

今回のサウンドハグは、私の興味が全面で子どもがやってみたいと言ったわけではありません。なので、眠たくもなるし小脇に抱えたくもなるんだろうな、と理解できます。

 

曲目はベートーヴェンの「第九ニ短調合唱付き」でした。1時間という長丁場で、途中寝てしまった子どもたちですが、やはり生で見てよかったと思えることはたくさんありました。返ってきたら指揮者の真似をしたり、「あの指揮は適当なんじゃないか、四拍子じゃなかった」と言ったり、「演奏が終わったあとに歌い手さんや指揮者が出たり入ったりするのは何なんだろう」と疑問をもったり。そこは良かったなぁと思いました。生でしか体験できないことというのはあります。私も合唱の歌声に鳥肌が立つほど感動しました。天に昇る人の声という厳かさがありました。

 

サウンドハグを一度体験できて良かったです。もっと身近に、子どもの興味のある音楽を、サウンドハグで聞かせてあげたらどうなるかな、とは思いました。